魚は外部からの調整されることなく、秩序だった群れの動きを実現している。
魚は外部からの調整されることなく、秩序だった群れの動きを実現している。 / Credit:canva
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魚群ができるのはなぜ?不思議な群れの動きを「魚ロボット」で再現成功! (2/2)

2021.01.15 Friday

前ページ通信しない単純な魚ロボット

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スタンドアローンなのに、集団行動する魚ロボットたち

群れ行動を取る魚ロボット。
群れ行動を取る魚ロボット。 / Credit:Robotic swarm swims like a school of fish,Harvard John A. Paulson School of Engineering and Applied Sciences

各ブルーボットは暗黙のルールに従って隣接する魚の位置に反応します。

ロボットを集約する場合、各ブルーボットは隣接する仲間の位置を計算し、中心に向かって移動します。分散させたい場合には、これと反対の動作を行います。

輪になって泳ぎたい場合は、目の前のライトを時計回りに追うようプログラムされています。

この仕組を検証するために、研究チームは水槽の中の赤いを捜索する簡単なミッションを実行してみました。

これはたとえば、魚が食べ物を探す場合などに見立てることができます。

このとき、ブルーボットはまず分散アルゴリズムに従って水槽全体に散っていきます。

そしてあるロボットが目的の赤い光を検出すると、自身のLEDを点滅させます。残りのロボットたちは、これをトリガーに集合アルゴリズムを働かせて、発見したロボットに集まって来るのです。

群れで赤い光を捜索させた様子。1匹が発見するとそこに群れが集合する。
群れで赤い光を捜索させた様子。1匹が発見するとそこに群れが集合する。 / Credit:Berlinger et al., Sci Robot. 6, eabd8668 (2021)

互いに通信を行ってコミュニケーションを取るわけでもなく、外部から制御を受けるわけでもなく、ロボットの群れはただ仲間のLEDの光を追うという単純な方法と暗黙のルールによって、集団行動を実現しました

現実の魚たちは、こうした挙動の一部を派手な縞模様や、夜間の場合は生物発光などを目印に実現していると考えられます。

この研究は、非常に単純な方法で複雑な群れの動きを制御できることを示したもので、魚群の行動を理解するためにも重要な知見をもたらしています。

また、海洋調査などで利用可能な水中で稼働させる群体ロボットの開発にも役立つものになるでしょう。

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