90%の精度で自閉症の子供が生まれるか予測できる
90%の精度で自閉症の子供が生まれるか予測できる / Credit:Depositphotos
biology

父親の精子から90%の精度で自閉症の子どもを出産するか分かる

2021.01.18 Monday

自閉症スペクトラム障害(略称:ASD)の有病率は年々増加しており、米国疾病予防管理センターによると1975年では5000人に1人の割合だったのが、2014年には68人に1人になっているとのこと。

しかし自閉症の原因は依然として謎のままです。

ところが、ワシントン州立大学(アメリカ)生物科学部門のマイケル・スキナー氏ら研究チームが、1月7日付の科学誌『ClinicalEpigenetics』にて、自閉症の子どもをもつ父親の精子から、子孫の自閉症に関連するゲノム特徴を特定したと発表。

これにより、父親の精子から90%の精度で自閉症の子どもを産んだかどうか予測できました。

>参照元はこちら(英文)

sciencealert https://www.sciencealert.com/in-a-small-study-biomarkers-in-men-s-sperm-predicted-with-90-accuracy-if-their-children-will-have-autism

自閉症に関係する遺伝的要素とは?

これまでの研究によると、自閉症には遺伝的要素が関係すると考えられており、特に父親からの伝達が影響を与えているようです。

その中でも、エピジェネティクス(後天的に変化する遺伝子スイッチ)は重要な要素だと言われています。

つまりDNA配列とは別に、その情報の一部をオンにしたりオフにしたりする別の付加的な情報があり、これが自閉症に大きく関係しているとのこと。

DNAメチル化による遺伝子の不活化
DNAメチル化による遺伝子の不活化 / Credit:国立がん研究センター

さて、研究チームは注目したのは、エピジェネティクスと深い関係のあるDNAメチル化です。

これは遺伝子をオンまたオフしたときの化学変化であるため、父親の精子のDNAメチル化領域を分析することで、子孫に与える影響も予測できるのです。

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