人工角膜「CorNeat KPro」
人工角膜「CorNeat KPro」 / Credit:CorNeat Vision
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ドナーいらず「新しい人工角膜」の移植手術に成功! コンタクトレンズのように目を覆い手術を簡略化

2021.01.21 Thursday

角膜損傷により10年間完全に失明していた78歳のイスラエル人男性は、新しい人工角膜移植のおかげで視力を取り戻しました。

これは、イスラエルの医療技術会社CorNeat Visionによる功績であり、彼らが開発した人工角膜「CorNeat KPro」の初めての移植成功例になります。

CorNeat KProの移植手術における大きな特徴は、「生体模倣材料の利用」と「移植手術の簡略化」であり、今後人工角膜がもっと身近になるかもしれません。

kr-asia https://kr-asia.com/blind-man-regains-sight-after-receiving-first-artificial-cornea-implant-by-israels-corneat-vision

人工角膜手術は困難だが、需要が大きい

世界保健機関(WHO)によると、角膜の損傷や病気で新たに失明する人は毎年約200万人にものぼり、現在、合計3000万もの人が失明したままです。

一般的な解決方法は死者から角膜を採取して用いる「角膜移植」ですが、必要数を満たすことはできていません。

最近の報告によると、実際に移植できているのは、移植を必要としている人の70分の1とのこと。

国によっても差はあり、中国では毎年200万人の患者が角膜移植を待っていますが、移植されるのは数千人だけです。

もちろん、これまでにも人工角膜移植は行われてきました。しかしこの手術は非常に難しく、通常の角膜移植ではどうしても拒絶反応が起こってしまう場合に、最終手段として採用されます。

実際、日本でも人工角膜移植が可能な施設は限られているようです。

また、ドナーから角膜を採取することにはウイルス感染のリスクがあり、角膜サンプル自体にウイルスの陽性反応があるかもしれません。

こうした背景にあって、感染のおそれがなく、容易かつ安全な「人工角膜移植」が求められてきました。

次ページ新しい人工角膜移植は生体模倣のスカートで眼細胞と融合する

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