新しい人工角膜移植は生体模倣のスカートで眼細胞と融合する
もともと人工角膜の移植には大きな課題があります。人工材料を私たちの生体組織に埋め込むことで、体がそれを異物をとみなすのです。
そのため、組織は人工角膜を押し出そうとしたり、カプセルのように覆ったりします。
CorNeat Visionが開発してきた人工角膜CorNeat KProには、この課題に対処するために、特許取得済みの合成非分解性ナノファブリックスカートが使用されています。
これは、光学部材(人工角膜部分)の周辺を覆うスカート(傘のようなもの)で、目の組織と結合するというもの。
スカートは高度な細胞技術とナノスケールの化学技術利用によって、細胞の構造と機能を模倣しています。
これにより細胞の成長が促進され、周囲の天然組織との完全な融合が可能。
つまり、このスカートは人工材料でありながら生体構造を模しているため、拒絶されず目の細胞に馴染むのです。
そのため新しい人工角膜は強引な仕方で眼球に縫い付ける必要がありません。
大きめのコンタクトレンズを装着するように眼球に乗せた後、3本の糸で縫合するだけなのです。
術後数週間以内には人工角膜と眼組織が融合し、外観も自然になるとのこと。
さて、今回の手術が成功したことにより、いずれ私たちはドナーからの提供を待たずに、安全で容易な角膜移植を受けられるようになるかもしれません。
CorNeat Visionは今後も承認済みの移植試験を行なう予定であり、イスラエル以外の他の国でも手術が実施されていきます。