太陽系を地上から撮影できる電波望遠鏡システム
今回の月面撮影を成功させたのは、新しい電波望遠鏡システムだといいます。
まず撮影のためには、強力なレーダー信号を対象へ照射する必要があります。
そのために今回のプロジェクトは、米国グリーンバンク天文台(GBO)が所有する世界最大の電波望遠鏡「グリーンバンク望遠鏡(GBT)」に、多国籍企業「レイテオン インテリジェンス&スペース」が開発した新しい送信機を装備させました。
そして、この強力な信号の反射をキャッチするために、アメリカ国立天文台(NRAO)が大陸全体に設置した超長基線アレイ (Very Long Baseline Array, VLBA)という巨大なパラボナアンテナ群を使用しました。
このVLBAを使うことで、大陸サイズの皿を持ったパラボナアンテナで、信号を収集することが可能になるのです。
しかし、今回の撮影はプロジェクトチームにとってはまだテスト段階のものに過ぎないといいます。
彼らはさらに、もっと強力な信号を使った撮影にも取り組んでいます。
地球近傍を通過する小惑星やスペースデブリは、細かすぎて光学望遠鏡で見ることは困難ですが、レーダー技術によるこのシステムなら、発見して画像化することが可能です。
これは地球近傍にある物体の理解や、また潜在的に危険な宇宙の物体に対処する惑星防衛にも役立つ可能性があります。
かつてない、強力な宇宙を監視するレーダーがまもなく完成することになるようです。