地球から月面の詳細な画像を撮る
これは、1971年にアポロ15号の着陸地点となった月面の画像です。
ここには月面の細かな地形の様子まで詳細に映し出されています。まるで道路のように蛇行したものが映っていますが、これはリルと呼ばれる溶岩が流れた跡の筋状の地形です。
現在は冷えて固まっている月ですが、古代の月は地下に溶岩が流れていました。
地下で溶岩流の通った場所は、のちに溶岩洞となます。その天井が崩落してできたのが、このリルという地形です。
画像のポイントはハドリー・リルと呼ばれています。
天井が崩れていない溶岩チューブは、月面基地にも利用できるのではないか、なんて言われています。
こうした月面の画像は、今までもいろいろ見た覚えのある人が多いでしょうが、それらはたいてい月面探査衛星が宇宙から撮影したものでした。
しかし、今回の画像の重要な点は、これが新しい電波望遠鏡システムによって、地球上から撮影されたものだということです。
これは研究者たちの長年の集大成といえる成果の画像なのです。
このかつてない地上からのレーダー撮影は、一体どのようにして達成されたのでしょうか?