氷が滑る理由を150年ぶりに解明 氷はマイナス100℃で滑らなくなる
意外なことに、氷が滑る原因は長い間、物理学の大きな謎でした。
定説として「圧力や摩擦熱によって氷の表面に水の層が生じているから」というものが知られていますが、厳密には正しくなかったのです。
圧力で氷を溶かすには人間の体重を遥かに上回る非現実的な接触圧が必要であり、スケートブーツは摩擦熱をほとんど生じないような低速度でも、氷の上をよく滑りました。
つまり、氷の上を滑るためには、表面の「水の層」は必要な要素ではないのです。
では何が氷の上を滑りやすくしているのか?
疑問に答えるために物理学者たちは上の図のような原始的な機材を開発し、実験をおこないました。
結果、マイナス100℃になると、氷は滑らなくなる現象が発見されたのです。