漂着物に付着したフジツボを分析する
調査の対象となったのは、世界中の漂着物に付着している「エボシガイ(学名:Lepas anserifera)」です。
烏帽子(えぼし)と貝のような外見から日本では「エボシガイ」と命名されていますが、実際は貝ではなくフジツボに分類されます。
そしてこのフジツボはボートなどの浮遊物にしか付着しません。そのため生態はあまり研究されてきませんでした。
メサリオ氏によると、「一般的に、このフジツボには浜辺に流れ着いた後でしか出会えません。その時点で彼らは乾燥しているか死んでいます」とのこと。
そこで研究チームは漂着物に付着するフジツボや他の甲殻類を6か月にわたってモニタリングし、成長過程などのさまざまな要素を調査することにしました。
結果としてチームは、漂着物に付着したフジツボを分析することで、その漂着物がどのように海を漂ってきたか解明できるようになったのです。