大気を持たない退屈な惑星
今回観測されたのは、地球から約41光年離れた系外惑星「GJ1132 b」です。
この系外惑星は、主星となる赤色矮星に非常に近い位置にあり、およそ1.5日という短い期間でその周りを一周しています。
サイズは地球の数倍程度の質量から、海王星質量以下の惑星と考えられていて、これはサブ・ネプチューンとして分類されるタイプです。
こうした惑星が、非常に主星に近い場所にある場合、その大気は星系形成時の強い放射によって大気を吹き飛ばされている場合がほとんどです。
そのため、今回の研究者であるNASAのジェット推進研究所(JPL)のライサ・エストレラ氏は、「観測したところでかなりつまらない惑星だろう」と思っていました。
しかし、ハッブル宇宙望遠鏡による惑星の観測記録を見て、「いやいや、大気があるじゃん!」と驚いたそうです。
分析によると、この惑星は水素分子、シアン化水素、メタンで構成された大気をもっており、木星のように見通しの効かないエアロゾルヘイズ(煙霧)も含んでいると考えられています。
生命にとっては猛毒と言ってよい大気組成ですが、位置的に形成時捕獲した大気が維持されているとは考えにくい惑星に、なぜこれだけ濃い大気が存在するのでしょうか?
研究者は、これが最初の大気ではなく、後に再生された二次大気であると説明しています。