北半球の四季の変化
北半球の四季の変化 / Credit: Yuping Guan / AGU
geoscience

2100年では夏が6か月も続くかもしれない

2021.03.14 Sunday

地球温暖化は現在進行形で私たちに影響を与え続けています。

最近、中国科学院に所属する海洋物理学者Yuping Guan氏ら研究チームは、約80年後の2100年には、北半球の夏が6カ月も続くと予測しました。

これは遠くない将来、人間の健康や農業、生態系が劇的な影響を受けていくことを意味します。

研究の詳細は、2月19日付けの科学誌『Geophysical Research Letters』に掲載されました。

Summers May Last Nearly Half the Year in the Northern Hemisphere by 2100 https://scitechdaily.com/summers-may-last-nearly-half-the-year-in-the-northern-hemisphere-by-2100/
Changing Lengths of the Four Seasons by Global Warming https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1029/2020GL091753

過去60年間で夏は17日も延長していた

過去の夏期間の推移を調査
過去の夏期間の推移を調査 / Credit:Depositphotos

研究チームは将来の気候変動を予測するために、まず過去の気候がどのように変化してきたか調査しました。

1952年から2011年にわたって毎日の気候データを調べ、約60年間における最高気温の平均値と最低気温の平均値を算出。

そしてそれを各年に当てはめ、平均値の上部25%を夏、下部25%を冬と定義しました。

例えば、分かりやすく最高気温の平均値を40℃、最低気温の平均値を0℃とするなら、30℃以上が夏、10℃以下が冬と定義されます。

これにより、北半球の四季がそれぞれどれくらいの期間続いたのか、年ごとに計測できます。

分析の結果、1952年から2011年にかけて夏の期間が平均78日から95日に延長していたと判明。

逆に冬の期間は76日から73日に短縮していました。そして春は9日、秋は5日それぞれ短縮していたとのこと。

さらに春と夏の開始時期は徐々に早まっていき、秋と冬の開始は遅くなっていきました。

また地中海地域とチベット高原では、季節サイクルが特に大きく変化していました。

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