数学も読書によって鍛えられる
数学も読書によって鍛えられる / Credit:Depositphotos
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数学も読書によって鍛えられると判明

2021.03.21 Sunday

昔から「読書は大切だ」と言われてきましたが、最近の研究では、読書が数学的能力も向上させると判明しました。

アメリカ・ニューヨーク州立大学バッファロー校心理学部に所属するクリス・マクノーガン氏は、脳の読書ネットワークが、乗算などの一見関係のない活動時にも働いている様子を確認したのです。

文系の基礎能力である「読み書き」は、理系の基礎能力「数学」にも深く関係していたことになります。

研究の詳細は、2月12日付けの学術誌『Frontiers in Computational Neuroscience』に掲載されました。

Reading Skills Affect Everything, Even Math https://neurosciencenews.com/rading-skills-math-18021/
The Connectivity Fingerprints of Highly-Skilled and Disordered Reading Persist Across Cognitive Domains https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fncom.2021.590093/full

失読症を見つける実験から意図せずに判明

失読症の子は文字や文章がよく分からない
失読症の子は文字や文章がよく分からない / Credit:Depositphotos

当初、マクノーガン氏は失読症を発見するための研究を行なっていました。

失読症(またはディスレクシア)とは、学習障害の一種であり、知的能力には異常がないものの、文字の読み書きが困難になる障害です。

これには文字や単語の理解に時間がかったり、文字を書けなかったりすることが含まれます。

科学者たちは、失読症の人が通常とは異なる仕方でを働かせており、結果として文字処理をスムーズにできなくなっていると考えています。

そこでマクノーガン氏は、脳の処理方法をAIで分析することにより、子供たちが失読症かどうか判断できるようにしました。

実験の結果、AIは94%の精度で失読症を特定。

マクノーガン氏はこの成果を一般化するためにfMRI情報から脳内ネットワークとの関連性を探りました。

失読症は「読み書き」の分野だけに影響する症状なので、他の分野における脳の働き方と比較することで、特定方法をより明確なものにしようとしたのです。

結果としてマクノーガン氏は当初の意図とは別に、読書が数学に与える効果を発見してしまいました。

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