おうし座からはくちょう座まで 天の川のすべて
天体写真家メッツァヴァイニオ氏が作成した天の川写真は、夜空のこの領域を映し出しています。
それは1.7ギガピクセルの画像で、容量は11.5メガバイトもあります。
ここにそのまま表示することはできないので、全体写真をきちんと見たい人は、こちらのリンクから画像を開いてください。
天の川銀河には、約2000億個の星があると推定されていますが、ここにはそのうちの約2000万個の星が映し出されています。
鮮やかな色合いで映っているのは、イオン化した元素である星雲です。水素=緑、硫黄=赤、酸素=青で放射される光がマッピングされています。
この画像の作成には実に12年もの時間がかかっているといいます。
なぜ、それほどの時間がかかったのかというと、この画像が1度に撮影されたものではなく、メッツァヴァイニオ氏が2009年から2021年までに撮影した234枚ものさまざまな天体写真をつなぎ合わせたものだからです。
使用された写真の総露出時間は1250時間にもなるそうです。
彼の写真は基本的に同じワークフロー(同じ露光時間、解像度、被写界深度)で撮影されているため、それぞれの画像をつなげるために特別な調整は必要なかったといいますが、膨大な写真をつなげるのは大変な作業だったでしょう。
彼はPhotoshopでそれぞれの写真の星の位置を合わせ、フレーム間のカラーバランス、光度曲線を一致させ微調整してこのパノラマ画像を作り上げたそうです。
一部の天体は、暗すぎて映らなかったため露光時間を長くとっていて、画像の左端にあるはくちょう座の超新星残骸(SNR)は、約60時間以上の露光時間を使ったとのこと。
この画像は構成の都合で、合成された画像の外側に詳細画像として置かれています。
ここにまとめられたそれぞれ画像も、メッツァヴァイニオ氏は個別の作品としてサイト上に公開しているため、各領域はさらに詳細に見ることもできます。
これだけ星が映っていると、どれがはくちょう座かわからなくなりますが、はくちょう座はこのように画像の中に存在しています。
ちなみに有名なブラックホール「はくちょう座X-1(Cygnus X-1)」の位置は、丸で囲われた辺りです。
なんとも素晴らしいアーティスティックな宇宙画像。
これが川だと言われたり、 乳の流れたあとだと言われた天の川の姿です。
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