2万年生きる「海綿動物」、不老不死を叶えた「ベニクラゲ」
「ガラス海綿類(Hexactinellid)」と呼ばれる海綿動物の寿命は、1万年を軽く超えると言われます。
世界中の海で見られ、水深450〜900メートル付近に生息しています。
たいていコップのような形をしており、高さは10〜30センチほど。成長がきわめて遅いことで知られ、これは寿命の長い生き物に共通する特徴です。
正確な年齢の測定は難しいですが、これまでの最高記録として、推定2万3000歳の個体が見つかっています。
どれくらい生きられるかも研究中であり、中には「適切な環境下にあるかぎり不死身ではないか」と主張する専門家もいます。
その一方で、すでに不老不死を叶えてしまったとされるのが「ベニクラゲ(Turritopsis spp.)」です。
ベニクラゲは、若返りのシステムを手に入れており、環境条件が整っているかぎり、永遠に若返り続けることができます。
普通のクラゲは、成熟したオスとメスが交配し、子孫を残すと死んでしまいます。
残された受精卵は「プラヌラ」という幼生期間を経て、「ポリプ」という状態に変化。ポリプから木のように枝がいくつも生えて、そこから実がなり、その実がクラゲの子となるのです。
ところが、ベニクラゲはケガをしたり、環境が変化して生存に危機を覚えると、自らポリプの状態になることができます。
これは子どもでも大人でも可能であり、まったく同じ遺伝子で最初からリスタートできるのです。
ベニクラゲは天敵に食べられないかぎり無限に生きられますから、現時点では、地球一寿命の長い生物と言われます。
ただ、ここまで挙げたのは、私たちとは繋がりが薄い無脊椎動物ばかりです。
では、ヒトと同じ脊椎動物の中で最も長生きなのは何でしょうか。