空気中のDNAを検出する技術が開発! 犯罪捜査と感染予防に革命か?
近年の遺伝工学の進歩により、土壌や水中に存在するeDNA(環境DNA)を分析し、どのような生物が近くに住んでいるかを調べられるようになってきました。
環境DNAの分析は、生物の体から細胞を直接採取する必要がないため生態系に影響を与えずに、希少な動物たちの生態を解明することが可能です。
しかしこれまで環境DNAの採取は土壌や水中などに限られており、空気中については長らく盲点となっていました。
空気は土や水と比べて拡散しやすく、植物の花粉などの例外を除けば、環境DNAの採取は現実的でないと考えられていたのです。
ですが今回、イギリスのクイーン・メアリー大学の研究者たちは常識に挑戦し、哺乳類(ハダカデバネズミ)を対象にした空気中の環境DNAの採取を試みました。
実験にあたってはまず、研究者たちは既存の空気清浄機などに使われている「HEPAフィルター」を掃除機に組み込み、ハダカデバネズミの飼育ケージと繋げて簡易の検出器を作成しました。
もし上手くいけば、掃除機のスイッチを入れてケージ内部の空気を吸い出すだけで、フィルターに環境DNAがからめとられるはずです。
ハンドメイド感あふれる検出器は、空気中の環境DNAをとらえられたのでしょうか?