ヒトとサルの細胞が会話を行っていた
今回の研究では単にキメラを作るだけでなく、キメラ胚と通常のサル胚の違いも調べられました。
破壊した胚から取り出した細胞が、どんな遺伝子やタンパク質を活性化させているかを調べることで、キメラ胚に何が起きているかを分子レベルで調査するのです。
すると、キメラ胚は純粋なサル胚やヒト胚とは異なる遺伝子やタンパク質が活性化していることが判明しました。
研究者たちはこの新たな変化が、ヒトとサルの細胞間で何らかの「コミュニケーション」が行われた結果であり、これらのコミュニケーションがヒト細胞の長期生存の鍵になる可能性があると考えました。