南限を超えて発見されたダニ
今回報告されたのは、ハマベダニ属の新種です。
発見者は、千葉県松戸市に住む会社員の根本崇正氏。
根本氏は当時、休暇を利用して千葉県の銚子外港に釣りに来ていたといいます。
ただ、あまり釣れなかったため、暇を持て余して趣味の節足動物の写真を撮影してツイートしていたとのこと。
そこに写っていたのが、実は新種の生物だったのです。
法政大学の島野教授は、偶然このツイートを発見。
それがハマベダニ属の新種であることに気づいたそうです。
島野教授の研究チームは、2019年に日本で初めてハマベダニ属のダニを北海道から新種記載していますが、この生物は東アジアでは北海道より南では見つかっていませんでした。
つまり北海道が、この生物の地理的分布の南側の限界(南限)と考えられていたのです。
しかし、根本氏が撮影したハマベダニはそれよりさらに南の千葉県銚子で撮影されたものでした。
また画像は、既知種と形態が微妙に異なっており、このことから島野教授はこれが新種ではないかと考えたのです。