Twitterが新種発見の目になるかもしれない
島野教授はすぐにTwitter上から根本氏に連絡をとり、数日後に銚子外港にダニの採取に向かったそうです。
お互い面識がなかったので、根本氏はTwitterのメッセージ機能を使いながら撮影場所を伝え、なんとか場所を特定した島野教授は、堤防からハマベダニを採取しました。
採取後、島野教授は共同研究チームのオーストリア・グラーツ大学のトビアス=プフィングスティル博士と、採取したダニを調べこれが新種であると確認されました。
この新種のダニは、国内で使う和名は「チョウシハマベダニ」と名付けられました。
そして学名は、Twitterがきっかけに発見されたことから「Ameronothrus twitter(アメロノトルス・ツイッター)」(「Ameronothrus」は属名としてつけることが決まっている名前)と名付けられたのです。
まんま過ぎてかなりインパクトのある名前です。
しかし、Twitterがきっかけで新種が発見されたのは、これが世界で2例目であり、また動物としての発見は今回が初となります。
(Twitterきっかけとなった新種発見の1例目は、デンマークの生物学者による菌類で、やはり学名はTwitterにちなんでつけられている。)
これは今後の世界においても、記念碑的な発見動物となるでしょう。
論文でもその件については触れられており、ソーシャルメディアの発展により、一般ユーザーの誰もが、新種の発見や生物多様性の解明に協力・参加できるようになったと述べられています。
また、こうしたSNSが時間のかかる新種の発見スピードアップを促し、科学の発展に繋がる可能性や、他にも未知の生物情報がSNSの中に埋もれている可能性などが指摘されています。
今この瞬間にも大量に投稿され続けているSNSの投稿。その中には科学者にとっては驚きの発見が隠れているのかもしれません。