フェーン現象のメカニズムとは?
フェーン現象とは、風が山を越える際に暖かくて乾燥した下降気流となり、ふもとの気温が上昇する現象のことです。
このフェーン現象の発生メカニズムは、「熱力学メカニズム」と「力学メカニズム」の2つに分けられます。
熱力学メカニズムでは、平野の水蒸気を含んだ風が山を乗り越える際に、気温の低下とともに雲を発生させ、最終的に雨を降らせます。
これにより山を下る気流は乾燥し、ふもとに高温をもたらすのです。
対して力学メカニズムでは、山を越える際に雲と雨が発生しません。
もともと上空にある乾いた空気が山を越えた後、平野に下ることでフェーン現象が起こるのです。
そしてこれまで、日本のフェーン現象は熱力学メカニズムで発生していると考えられてきました。
教科書のフェーン現象の図には雨雲が描かれており、熱力学メカニズムの解説が掲載されていたはずです。
ところが今回、研究チームはこの通説を覆す研究結果を発表しました。