日本の温泉 フィンランドのサウナ
日本はいわずと知れた温泉の国で、多くの人々が利用しています。
フィンランドは、湿度5~20%程度、温度70~110℃というドライサウナが人気の国で、人口550万人に対してサウナは300万近くあるといわれています。
こうした国々の、長期観察研究の調査結果を見ると、中年のフィンランド男性では、週4~7回サウナを利用する人は、週1回しか利用しない人と比較して、なんと血管疾患のリスクが50%も低いという結果が出ました。
またこれは認知症などのリスク低減とも有意に関連していたといいます。
温泉は古代ローマ人も好んでいましたが、日本の温泉では38℃~40℃の熱湯に、最大60分程度肩まで浸かるという傾向があり、やはり心血管における病気のリスクは、入力頻度が高いほど低下しています。
これは長期観察の結果であるため、食事などの傾向も関連している可能性はありますが、定期的な温熱療法は心血管疾患のリスクを低下させる大きな要因として考えることができます。
温泉などの温熱療法が有効であるとされる根拠は、1つに上昇した体温の調節にあります。
体温が上昇した場合、体は熱を外部へ逃がすために皮膚の血流を増加させます。これは動脈と毛細血管の血管拡張を起こします。
このとき超音波スキャンを行うと、この血流の上昇は、細胞の成長や修復、また血管を保護する血液中のさまざまな分子生成も促進していたことがわかりました。
また、温浴はサウナと違い水圧による影響も加わります。これも心臓への血液循環を助ける働きがあります。
そのためサウナより、温泉のほうがより有利に働く可能性が指摘されていますが、これはまだ証明されていません。
1990年代の調査では、温泉もサウナも、1日1回、週5回の利用を4週間続けたところ、慢性心不全患者の心肺機能や心臓壁が強化されていたという報告があります。
さらに3週間、毎日温泉療法を続けた結果、2型糖尿病患者の血糖値を下げたという研究報告もあります。
高血糖の糖尿病は、血液に深刻な損傷を与える可能性が高いため、これは重要な報告です。