温熱療法の素晴らしい効果とフォローできない問題
熱いお湯に長時間浸かる行為は、かなり健康の改善に有効で、特に心血管疾患におけるリスクを大きく下げることがわかりました。
ただ、これは家庭用のお風呂で同様に効果が得られるのか? というと少し難しいかもしれません。
ここまでの調査は温泉や、また水温がきちんと管理された実験室の環境で行われています。
しかし、家庭用のお風呂では浸かっていると浴槽の水温は徐々に下がっていきます。
またあまりに長時間の入浴は、個人で行うにはかえって危険な場合もあります。特に脱水症状や湯あたりなどの症状は、健康を逆に害してしまうため注意する必要があります。
熱いお湯に使ってゆっくりと体温をあげ、維持していくという方法は、健康上の利点は多いですが、水分補給や無理はしないなどきちんとルールを作って実行するのが懸命でしょう。
もちろん運動と温熱療法を組み合わせるというのも、さらに有効な効果を生むとされています。
なんにせよ、お風呂にゆったりと浸かることは健康上の利点が多く、また抗うつ作用もあるとされているので大切だと考えられます。
最近は、テレワークなどで座りっぱなし、外出もしないので入浴も不規則にしかしないという人は増えているかもしれません。
都内に住む人の場合、お風呂が狭いユニットバスでシャワーしか浴びないなんて人もいるかもしれませんが、きちんと毎日お湯に浸かるというのは運動をするのと同じくらい健康には大切なようです。
運動が毎日できないという人は、せめて毎日お風呂に浸かるところからでも始めて見るといいかもしれません。
ただし、もちろん入浴では、血流の改善は見込めても、脂肪の減少、筋肉量や骨密度の増強を期待することはできません。
痩せたいとか、筋肉をつけたいという人は、入浴では解決しないので諦めましょう。