動物が「0」を理解する難しさ
数字としての「0」が本格的に発展したのは、5〜7世紀頃と言われています。
それ以前は、例えば、8に0を掛けたり、10に0を加えたりする概念は生まれていませんでした。
「何もない」という概念はもっと前からありましたが、これは「0」をそれ自体が明確な「量」として扱うのとは違います。
当たり前のことですが、0が数値として考えられるようになってから、数学の世界は大きく飛躍しました。
本研究主任のアンドレアス・ニーダー氏は「数学者に尋ねれば、おそらくほぼ全員が、0の発見は心躍る偉業だったと答えるでしょう」と述べています。
0が特別なのは、整数のように、実在する物体を数える作業に当てはまらないことです。
カゴに入れた3つのリンゴを「1、2、3」と数えることはできますが、カゴが空になると、数えるべきリンゴはありません。
「0は空虚な状態を表しており、非常に抽象的で、それを理解するには経験世界から離れた思考が必要となる」とニーダー氏は言います。
では、カラスは0をどう捉えているのでしょうか。