カモノハシは卵を産むのに「哺乳類」なの!?
クチバシを持つかわいい見た目から鳥類にも見えるカモノハシですが、実は「哺乳類」に分類されます。
なぜそのように結論付けられたのでしょうか?
「哺乳類で」ある根拠
哺乳類に分類される大きな理由は、孵化した子供を乳で育てるためです。
乳首はありませんが、体から出た乳が体毛を濡らし、それを子供に与えます。
また、肺呼吸など哺乳類と似た特徴が多くなっています。
糞尿も交尾出産も同じ穴(=総排出腔)で行う動物(=単孔類)という点も、古い哺乳類の特徴です。
「総排出腔」といえば、爬虫類や鳥類の特徴だと記憶している方もいるかと思います。このことで、混乱してしまう専門家もいるんです。
ちなみに、現在この単孔類はカモノハシとハリモグラしかいません。
哺乳類っぽくないところは?
理科の教科書で「哺乳類は卵を産みません」と書いてあるにも関わらず、カモノハシとハリモグラは産卵をし、記述を裏切ってくる2種です。
この2種は後ろ足の爪に毒も持っています。
犬であれば殺傷できるほど、人であれば4ヶ月ほど苦痛を与えるくらいの威力はあります。毒を持つ哺乳類は、他にトガリネズミ(唾液腺)だけです。
このことで、爬虫類っぽさまで加わってきています。
鳥のカモに似ていることが名前の由来にもなっていますが、カモノハシのクチバシは鳥のそれとは全く異なります。
鳥のクチバシは硬く、何かをつつく、ついばむ、刺すことが得意です。
しかし、カモノハシのクチバシはブヨブヨで柔らかくなっています。
鳥もカモノハシも、口の中には歯はありません。
カモノハシの場合は、生物などが発する弱い電気を感じる器官が発達しており、そのために歯は失われと考えられています。
電気を感じながら探し当てたエサを、少し上向きのクチバシですくって食べるんです。