ビスマス単原子層にチューリング・パターンを発見
ビスマス単原子層にチューリング・パターンを発見 / Credit:伏屋 雄紀(電気通信大学)_原子膜とかけて熱帯魚と解く。そのココロは・・・? ~ナノ物理学と生物学を繋ぐチューリング・パターンの新理論~(2021)
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熱帯魚のシマシマ模様「チューリング・パターン」が原子の世界にも現れていた (3/3)

2021.07.14 Wednesday

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3年がかりでチューリング・パターンを証明!自己修復能力も発見!

(a) ビスマス単原子膜で時間と共にチューリング・パターンが形成される様子 (b) 実験と理論の比較
(a) ビスマス単原子膜で時間と共にチューリング・パターンが形成される様子 (b) 実験と理論の比較 / Credit:伏屋 雄紀(電気通信大学)_原子膜とかけて熱帯魚と解く。そのココロは・・・? ~ナノ物理学と生物学を繋ぐチューリング・パターンの新理論~(2021)

研究チームは3年間の試行錯誤の末、ビスマス単原子層に働くさまざまな力によってチューリング・パターンが形成されると証明できました。

加えて、ビスマス単原子層のチューリング・パターンにキズができても、自己修復すると判明しました。

冒頭でお伝えしたように、チューリング・パターンは波のような相互反応によって生じます。

つまりチューリング・パターンは静的ではなく動的なのです。

では、その動的性質は生物でのみ生じるものなのでしょうか?

原子膜につけた円形のキズが勝手に修復される
原子膜につけた円形のキズが勝手に修復される / Credit:伏屋 雄紀(電気通信大学)_原子膜とかけて熱帯魚と解く。そのココロは・・・? ~ナノ物理学と生物学を繋ぐチューリング・パターンの新理論~(2021)

チームの実験では、ビスマス単原子層でも動的な反応が得られました。

あえてパターンにキズをつけると、まるで原子に意識があるかのように、元通りに修復されていったのです。

しかも縞模様には傷跡が残らず、この修復が「完全治癒」であることを示唆しています。

さて今回の発見により、無機固体であるビスマスには、これまで観察されたことがないナノレベルのチューリング・パターンがあると分かりました

しかもこのパターンがプログラムされていることで、生き物と同じように自己修復できます。

研究チームは、この発見を応用することで、効率的に凹凸のない完ぺきな超薄膜が作成可能だと考えています。

将来的には新しいナノデバイスのデザインにつながるかもしれません。

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