3年がかりでチューリング・パターンを証明!自己修復能力も発見!
研究チームは3年間の試行錯誤の末、ビスマス単原子層に働くさまざまな力によってチューリング・パターンが形成されると証明できました。
加えて、ビスマス単原子層のチューリング・パターンにキズができても、自己修復すると判明しました。
冒頭でお伝えしたように、チューリング・パターンは波のような相互反応によって生じます。
つまりチューリング・パターンは静的ではなく動的なのです。
では、その動的性質は生物でのみ生じるものなのでしょうか?
チームの実験では、ビスマス単原子層でも動的な反応が得られました。
あえてパターンにキズをつけると、まるで原子に意識があるかのように、元通りに修復されていったのです。
しかも縞模様には傷跡が残らず、この修復が「完全治癒」であることを示唆しています。
さて今回の発見により、無機固体であるビスマスには、これまで観察されたことがないナノレベルのチューリング・パターンがあると分かりました。
しかもこのパターンがプログラムされていることで、生き物と同じように自己修復できます。
研究チームは、この発見を応用することで、効率的に凹凸のない完ぺきな超薄膜が作成可能だと考えています。
将来的には新しいナノデバイスのデザインにつながるかもしれません。