チューリング・パターンは生物に見られてきた
1952年、天才数学者アラン・チューリング氏は、生物界に共通する模様メカニズムを解読しました。
熱帯魚やキリン、チーターなどの独特な模様が一定の法則に従って形成されると発表したのです。
実際、それらの模様の形成方法は、比較的簡単な数式で表現できます。
現在ではチューリング・パターンが、それら生物の「細胞同士の波のような相互反応」で形成されると分かっています。
そしてこれまでに確認されているチューリング・パターンのほとんどは、0.1mm〜10cm程度の範囲に限られていました。
しかしチューリング氏の理論には、パターンの大きさを制限する要素は入っていません。
つまり理論上では、もっと小さなパターンを発見できるかもしれないのです。
そして今回、伏屋氏は生物とはかけ離れた「固体物理学」のナノ世界でチューリング・パターンを見つけました。