ビスマス単原子層にチューリング・パターンを発見
ビスマス単原子層にチューリング・パターンを発見 / Credit:伏屋 雄紀(電気通信大学)_原子膜とかけて熱帯魚と解く。そのココロは・・・? ~ナノ物理学と生物学を繋ぐチューリング・パターンの新理論~(2021)
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熱帯魚のシマシマ模様「チューリング・パターン」が原子の世界にも現れていた (2/3)

2021.07.14 Wednesday

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ビスマス単原子層にはチューリング・パターンがあるのか?

ビスマス結晶
ビスマス結晶 / Credit:Depositphotos

発見の発端はまったくの偶然でした。

今回の研究チームの一員であるアメリカ・スタンフォード大学のアハロン・カピトゥルニック氏らは、2017年にビスマスの単原子層(原子が一層からなる物質)の製作に成功。

ビスマス単原子層の構造を原子レベルで観察すると、これまでに見たこのない奇妙な模様ができていました。

ビスマスの結晶は骸晶(がいしょう)と呼ばれる結晶面上が凹んだ形をしていることで有名ですが、非常に薄い層になった場合はその表面に1nm間隔の縞模様があったのです。

ビスマス単原子層に見られる1nmの模様
ビスマス単原子層に見られる1nmの模様 / Credit:伏屋 雄紀(電気通信大学)_原子膜とかけて熱帯魚と解く。そのココロは・・・? ~ナノ物理学と生物学を繋ぐチューリング・パターンの新理論~(2021)

そしてこの模様を見た伏屋氏は、「これはチューリング・パターンではないか?」という発想を得ました。

しかしチューリング・パターンは生物学で研究されてきたものであり、固体物理学を対象とした過去の研究がありません。

また原子間に働く力を解析するのは容易ではなく、チューリング・パターンであることを証明するには大変な労力を必要とします。

しかし伏屋氏ら研究チームは、この研究を推し進めることにしました。

果たして研究の結果はどうなったのでしょうか?

次ページ3年がかりでチューリング・パターンを証明!自己修復能力も発見!

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