約8億年以上前に形成された
ダイヤモンドは地球の地下深いマントルの高温高圧下で数百万年かけて形成され、それが徐々に地上へと上がってきて鉱脈を作ります。
ではこの過程の中で、今回の珍しい形状はどうやって形成されたのでしょうか?
アルロサはラマン分光法や、赤外線分光法、X線マイクロトモグラフィなどを使って、マトリョーシカを研究しました。
研究者の興味の対象は、この外と内2つのダイヤモンドの間にある空間がどうやって形成されたのかという部分でした。
研究者によると、このダイヤモンドが形成されたのは8億年以上前であり、最初に中のダイヤモンドが形成され、その後、外側のダイヤモンドが形成されたと考えています。
しかし、その後のプロセスについては、2つの主要な仮説が考えられるそうです。
まず1つ目の説は、マントル鉱物が成長中のダイヤモンドを捕獲し、地表で内部が溶解し形成されたというものです。
第2の説は、外側のダイヤモンドが超高速成長したため、内部に多孔質の多結晶体の層を形成し、それがより激しいマントルのプロセスによって溶解したというものです。
いずれにせよ、外側のダイヤモンドの内部形成が不十分だっため、溶解して空間ができてしまったようです。
しかし、通常自然は空洞を好まないため、こうした場合、空洞となった場所には他の鉱物が形成されるものだといいます。
そのため、このマトリョーシカはなんともユニークな自然の創造物となっています。
ただ、宝石としてこの珍しいダイヤモンドがどれだけの価値を持っているのかは、現在のところ不明のようです。