化石のDNA保存状態が悪い日本
現在、北海道のヒグマには3つの系統があって、それらはみな独立して北海道に入ってきたと考えられています。
更新世の寒冷期は海面が下がっていたため、ユーラシア大陸と日本は陸路でつながっていました。
北海道のヒグマは、こうした時代にサハリン経由で北海道へやってくる機会が何度もあったと考えられます。

ただ、北からやって来たヒグマは、ブラキストン線を超えて本州へ来ることはできなかったと考えられます。
そうなると、本州で見つかっているヒグマは、北海道のヒグマとは異なるルートで日本へやって来た可能性が高いのです。
北海道のヒグマはサハリン経由で、本州のヒグマは朝鮮半島経由でやって来たのではないか?
この可能性については、長く研究者の間でも議論されてきました。
これを明らかにするためには、化石のDNA分析が有力な方法です。
しかし、日本は高温多湿な上に酸性の土壌が多いため、化石に残るDNAの保存状態が極めて悪い環境にあります。
そのため、日本の古代のDNA研究は、人類の研究を含め、世界と比べて大幅に遅れているのです。
この研究の重要な点は、最先端の古代DNA分析技術を駆使することで、3万2500年前のヒグマの化石からDNAを分析することに成功し、彼らの足跡を一部明らかにできたというところなのです。

























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