健康格差の原因の1つは人種差別かもしれない
ある報告によると、黒人は白人に比べて、脳卒中、認知機能低下、アルツハイマー病などの神経変性疾患のリスクが高いようです。
もちろんさまざまな要因が関係していますが、ストレスによる影響は無視できません。
世界的な社会問題である「人種差別」は当人に強いストレスを与え続けるため、この分野も考慮すべきでしょう。
しかし、人種差別と健康の関連性を扱った研究はほとんどありません。
そこでチームは、人種差別が脳機能や健康に与える影響を調査することにしました。
対象となったのは、アフリカ系アメリカ人(黒人)の女性55人です。
彼女たちは、「幼少期の虐待」「身体的・性的暴行」または「人種差別による不当な扱い」のどれかを経験してきた人々です。
実験では、彼女たちにストレスを感じる映像を見てもらいながら、注意力を必要とする課題に取り組んでもらいました。
そしてチームはその間、彼女たちの脳活動をfMRIで観察しました。