火星の運命は最初から決まっていた
火星にはかつて大量の水がありました。
火星探査機の調査では、長期間水に浸かっていたことを示す鉱石や、洪水により削られた谷の痕跡など、さまざまな証拠が発見されていて、もはや疑いようのない事実です。
しかし、現在火星の表面に水は存在していません。
火星の水はなぜ失われてしまったのか? そしてどこへいってしまったのか?
これは火星を研究する際の重要なテーマとなっていて、火星磁場の弱体化による大気の喪失などを含む、さまざまな可能性が提案されています。
しかし、今回の研究を発表したワシントン大学地球惑星科学専攻助教授クン・ワン(Kun Wang)氏は、火星が地球と大きく異る歴史を歩んだ原因について、もっと根本的な理由を語っています。
「生命が存在できるような十分な水を保持できる岩石惑星のサイズには、おそらくしきい値があります。
そして、火星は根本的にその質量が足りていなかったのです」
つまり、火星の運命は最初からどうあがいても水を失うと決まっていたのだ、とワン氏は主張するのです。