高温・高圧によりヒスイの透明化に成功
今回の研究では、最初にヒスイの成分をもつガラスが作られました。
そしてこれに超高圧装置で10~20万気圧の超高圧と、900~1300℃の高温を加え、粒径の小さいヒスイ多結晶体を合成。
得られたヒスイの粒径は数百nmであり、高い透明性を示しました。
また今回の実験で、最も高温・高圧(20万気圧・1300℃)で合成されたヒスイは、その粒径が最も小さく、透明度も高いと判明。
可視光の中間的な波長(645nm)に対して約70%の透過率であり、「透明ヒスイ」と十分に言えるほどの透明度が得られたのです
さらにこの透明ヒスイは、通常のヒスイに比べて高い硬度をもっていると分かりました。
今回得られた透明ヒスイの粒径の最小値は240nmですが、さらに小さくすることも可能でしょう。
今後は加える圧力や温度、加熱時間の最適化により、100nm以下の「ナノ多結晶ヒスイ」を合成できるかもしれません。
ナノ多結晶ヒスイはより高い透明性と硬さをもつと予想されているため、光学材料として期待できます。
また今回の成果を応用して、さらに別の材料も透明化できるようになるかもしれません。
もちろん透明ヒスイは宝石としても魅力的なため、ジュエリーとしての流通にも期待したいですね。