ヒスイは多結晶で不透明
鉱物には1粒の結晶が成長した「単結晶」と、多数の微小な単結晶が集合した「多結晶」があります。
多結晶体は、多くの結晶粒が集まってできているため、結晶粒と結晶粒の境界がたくさん存在します。
この境界は、いわば「多結晶体の中に存在する隙間」なので、隙間の中にはどうしても空気や不純物が含まれてしまいます。
そのため多結晶体に光が当たると、不純物の詰まった境界面で光の散乱が生じてしまい、私たちの目には不透明に映ってしまうのです。
逆に単結晶体に光を当てると、光はまっすぐに通過するため、単結晶体の背後が透けて見えます。
さて、ほとんどの宝石は単結晶体ですが、ヒスイや孔雀石などの多結晶体も例外的に存在します。
そして上記で解説した性質により、ヒスイの透明度は低く、通常は不透明~半透明です。
ところが、これまでの研究によって既に「多結晶体を透明にする技術」が開発されてきました。
この技法をヒスイにも応用できるかもしれません。