夜襲して素手でとらえる
ネアンデルタール人はいったいどんな方法でベニハシカラスを捕えていたのか?
研究者たちが辿り着いた答えは、夜襲でした。
ベニハシカラスは他の鳥とは異なり、コウモリのように洞窟に住む性質がある珍しい鳥です。
ただベニハシカラスはコウモリと違って夜行性ではなく、夜の活動が苦手です。
そこで研究者たちは、ベニハシカラスが寝込んだところを襲うことにしました。
また襲うにあたって使う道具は、ネアンデルタール人が持ちえた技術(松明・ハシゴ・網など)に限定しました。
すると意外なことに、ベニハシカラスはアッサリと、しかも素手で捕まえることができたのです。
ベニハシカラスたちは、松明の代りに用意されたランプの光によって混乱し、あるものは天井に引っかかったり、洞窟の行き止まりで停止して、素手で捕獲することができました。
また洞窟の外に飛び出ようとしたものも、入口に設置された簡易な網によって捕獲することに成功します。
研究者たちは実験期間を通しておよそ70のねぐらを強襲し、5525匹のベニハシカラスを捕えることに成功します。
同様の方法をネアンデルタール人がとっていた場合、彼らは人類と同等レベルの観察眼と知性を持っていた言えるでしょう。
ベニハシカラスを素手でとらえるには、鳥たちの行動パターンを理解するだけでなく、ベニハシカラスが松明にどのように反応するかなど、細かな知識も必要とするからです。