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ヒトの脳は「文字の出現」で3000年前から縮小している可能性がある (2/2)

2021.10.25 12:43:42 Monday

前ページアリから見えてきた「脳縮小」のヒント

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「文字の出現」が脳を小さくさせた⁈

調査の結果、ヒトのは約210万〜150万年前に大きくなったのですが、3000年前頃から縮小に転じたことが判明したのです。

これは従来の推定年代とは違い、脳の縮小がごく最近に起こったことを示します。

興味深いのは、3000年前という時代が、歴史的記録に文字システムが登場してから数千年後である点です。

人類は文字を手にしたことで、各人のうちに蓄積されていた知識や情報を外在化し、他者と共有できるようになりました。

要するに、脳の縮小は、人類社会における集団的な知性の拡大と平行して生じた可能性があるのです。

「文字の出現」で脳が縮んだ?
「文字の出現」で脳が縮んだ? / Credit: jp.depositphotos

主著者の一人で、ダートマス大学(Dartmouth College・米)のジェレミー・デシルバ(Jeremy DeSilva)氏は、次のように説明します。

「もし集団での意思決定が、個々人の意思決定の認知的な正確さや速さを上回る反応をもたらしたとすれば、ヒトの脳サイズは、代謝コストの削減の結果として減少したのかもしれません。

『知的な脂肪(intellectual fat)』をカットすることで、脳はより少ない数の仕事をより効率的にこなせるようになったのでしょう」

本研究の成果は、チームの新仮説に重みを説得力を与える一方で、すべてを説明したことにはなりません。

集合知の拡大のほかに、氷河期以降の食生活の変化や体の小型化が関係している可能性もあります。

たとえば、「ベルクマンの法則」が示すように、寒い地域に住む動物(ヒトも含む)ほど、体は大きく太くなり、熱い地域に住む動物ほど、体は小さく細くなります。

つまり、氷河期が終わって地球が温かくなるにつれ、ヒトの体が小さくなり、それに応じて脳容積も縮んだのかもしれません。

今回の結果は、脳サイズをめぐる謎を完全に解明するものではないですが、その一因として興味深いモデルを提示しました。

研究チームは今後、仮説の実証を目指して、調査を続ける予定です。

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ヒトの脳は「文字の出現」で3000年前から縮小している可能性がある (2/2)のコメント

ゲスト

とすると何かに文字を書くよりももっと早く情報を他者に伝達できる今の人類は…。
必要は発明の母というように頭も必要にならないと使われないってことですね。
ときどき頭空っぽにして原始的な道具作って遊ぶとかした方がいいのかもしれませんね。

ゲスト

地球が温かくなるにつれ、ヒトの体が小さくなり、それに応じて脳容積も縮んだのかもしれません。

↑これのほうが影響大きいと思ったけどなー 文字の出現よりも

ゲスト

文化(文字や食生活)が原因なのか気候変化が原因なのかは、同じ期間での他の類人猿の変化を調べたらわかりそうですね。

ゲスト

無知な疑問で恐縮ですが、特に小型化した脳と大きい脳を比べた場合に社会性の違いが見られるのでしょうかね…?

ブランシュ

脳の容積は文明や文化には余り関係無いでしょう、それは10分の1なら多少と言うか違いが出るかも、要は使い方と時間で差が出来るのでは無いのですかね、こんな事言っては何ですがIQが50の人と事故で植物人間の人の脳の使用%はどうなんですかね?。私の脳はどれ程働いてますかね?、分かる人居ますか?。又IQ180とか言いますが、誰がその数値出すの?言う位なら181以上有るんですかね、その人は誰が?!、なら勝手に自分は150だと言っても間違いは無いでデスよね。早い話が
脳の容積なんて当てにならないですね。

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