発掘された25億年前のルビー
発掘された25億年前のルビー / Credit:Chris Yakymchuk(University of Waterloo)_Some of the world’s oldest rubies linked to early life(2021)
geoscience

25億年前の最古のルビーに生命由来の炭素が混ざっていた

2021.10.26 Tuesday

25億年前のルビーから生命の痕跡が発見されました。

カナダ・ウォータールー大学(University of Waterloo)地球環境科学部に所属するクリス・ヤキムチャク氏ら研究チームが、最古のルビーの分析中に、その中に含まれていた特殊な炭素(C)を発見

そしてこの炭素を分析した結果、これが古代生命の残留物である可能性が出てきました。

研究の詳細は、8月20日付の科学誌『Ore Geology Reviews』に掲載されています。

Some of the world’s oldest rubies linked to early life https://uwaterloo.ca/news/media/some-worlds-oldest-rubies-linked-early-life
Corundum (ruby) growth during the final assembly of the Archean North Atlantic Craton, southern West Greenland https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0169136821004431

炭素同位体の比率から生命の痕跡をたどる

かつて生命だったと判定するには?
かつて生命だったと判定するには? / Credit:Depositphotos

生物はいずれ死にますが、その残骸が化石のように長年残ることがあります。

石のようなかたまりや微量な粉が、実は生物の死骸だったりするわけです。

では、「発掘されたなにか」が、生命だったことをどのように特定するのでしょうか?

1つの方法に「炭素同位体の比率」の調査があります。

同位体とは、同じ原子でも中性子の数が異なる存在のことであり、炭素の天然同位体は12C、13C、14Cの3つです。

これらは基本的に、12C:13C:14C = 99:1:0.0000000001の比率で存在していますが、大気中に含まれる炭素同位体の比率と生物の体に含まれる炭素同位体の比率にはいくぶん差があります。

つまり炭素同位体の比率を調べることで、その炭素が生命だったか否か判断できるのです。

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