25億年前のルビーから生命の証拠が発見される
研究チームは、ルビーの形成条件をより深く理解するため、世界最古のルビーが埋まっているグリーンランド南部を調査しました。
そして25億年以上前の岩石から、グラファイト(graphite)を含むルビーを発掘しました。
グラファイトとは六角形に並ぶ炭素原子が層状に重なってできた結晶です。
当然、ルビーに含まれていたグラファイトも25億年前の炭素原子の結晶だと言えます。
そしてチームは、ルビーと一緒にこのグラファイトも分析。
その結果、生命の証拠を見つけることになりました。
グラファイトの炭素同位体の比率を調べたところ、「12Cの比率が大きい」という生物の特徴が表れていたのです。
そのためチームは、「この炭素原子は古代生命であり、おそらく藍藻(シアノバクテリア)のような微生物の死骸」だと結論付けました。
ちなみに25億年前の地球は大気中の酸素が少なく、生命は微生物しかいなかったと考えられています。
もちろん当時の状況を実際に確認することは誰もできません。
しかし今回のような生命の痕跡の発見は、今後も私たちに、はるか昔の生命について教えてくれるでしょう。