ラトルバックは古代の遺物として発見された
はじまりは、古代ケルトや古代エジプトで発見された、底がツルツルした奇妙なカヌー型の石器でした。
発見当初は何の用途に用いるか不明でしたが、コマのように回して遊んでみたところ、驚きの事実が判明します。
くるくると回っていた石がガタガタと音を響かせながら回転を停止させた…かと思いきや、逆方向に回りはじめたのです。
回転方向が逆になる「古代のコマ」はすぐに、当時(19世紀)の物理学者たちの注目を浴び、1890年に出された考察を皮切りに相次いで物理学的な解明の試みが行われました。
その後も研究は断続的に行われ、科学の進歩にあわせて解釈も進展。
呼び名も考古学的な「セルト石」から親しみやすい「ラトルバック(直訳:ガタガタ戻る)」へと変っていきます。
そして21世紀にはいるとコンピュータを用いたシミュレーションが行われるようになると数学的な理解が進み、ついにセルト石、改め「ラトルバック」の不思議の全容がみえてきました。