反転が繰り返される場合がある
非対称な構造を持つコマ「ラトルバック」が逆回転するのは、逆回転に必要なエネルギーを振動エネルギーとして蓄えていたからでした。
しかしラトルバックの研究では、左右の反転を何度も繰り返すケースが古くから何度も報告されています。
最近の例では、スプーンのような非対称な底面を持つものを改造して(柄をまげて)強引にラトルバックにした場合などに、反転の繰り返しがみられます。
柄を曲げられて作られたラトルバックは三次元的な構造をしているため、複数種類の振動と複数の回転の間に、エネルギーの複雑な授受が起こり結果として繰り返し反転が可能になったのかもしれません。
ラトルバックには、見かけの単純さに似合わない物理学が存在します。
例えば回転軸の歳差運動はジャイロスコープの基礎であり、回転する物体にかかる効果は天体学にも利用可能です。
古代から人類を魅了してきたラトルバックは、これから先も、物理学者たちのさまざまな挑戦を受けるでしょう。