イキイキマウスはアルツハイマー病になっても症状が抑えられる
環境の違いが認知症に対抗する遺伝子「MEF2」を目覚めさせることができるのか?
謎を確かめるために研究者たちはアルツハイマーになりやすい家系のマウスを用意。
一方には、数日ごとに新しいおもちゃで遊べるイキイキ環境、そしてもう一方にはただエサと水だけが与えられるドンヨリ環境で飼育してみました。
結果、イキイキ環境で余生を送ったマウスはアルツハイマーになっても症状が悪化せず、迷路を解く能力などの認知機能が高いレベルで維持されていました。
一方、エサと水をただ消費するだけのドンヨリ環境で余生を送ったマウスは次々に症状を悪化させていきました。
またそれぞれの環境で余生を送ったマウスの遺伝子を調べると、イキイキ環境で生活しているマウスでのみ、遺伝子「MEF2」が活性化していると判明。
この結果は、マウスの「生まれつきの知能」とは関係なしに、刺激にあふれる「後天的な環境」が遺伝子「MEF2」を活性化させ(目覚めさせ)認知症になるのを防いでいることが示します。
つまり「MEF2」は環境依存のボケ防止遺伝子だったのです。
しかし、イキイキ環境と遺伝子「MEF2」そしてアルツハイマーの予防が本当に因果関係で結ばれているかを調べるには、ちょっぴり残酷な実験をしなければなりませんでした。