イキイキ生活で活性化する「ボケ防止遺伝子」を発見!
現在、認知症は老化と同じく避けては通れない問題となっています。
65歳以降の16%が既に認知症であり、80代後半になると男性の35%、女性の44%が認知症になるとされています。
特にアルツハイマー病は認知症全体の過半数を超える症例となっており、治療薬の開発が急がれます。
一方で以前から、アルツハイマー病になっても、影響を受けにくい人々がいることが知られていました。
これら耐性のある人たちは、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβが脳に蓄積しているにもかかわらず、高い認知機能を維持していたのです。
そこで今回、MITの研究者たちは1000人の遺伝データと認知症の症状を比較し、認知症に対抗する遺伝子の存在を探すことにしました。
結果「MEF2」と呼ばれる遺伝子が、耐性のある人々で活性化していると判明します。
また興味深いことに、耐性のある人々の多くは高学歴で知的労働に従事しているか、生きがいをもった刺激的な日々(イキイキ生活)を送っていることが示されました。
ただこの段階では、イキイキしていることが「MEF2」の活性化を起こしているか「MEF2」の働きが生まれつき活発な人が結果としてイキイキしているように見えるのかは不明でした。
つまり、原因が先天性(遺伝)のものか後天性(イキイキ生活)のものか、区別がつかなかったのです。
そこで研究者たちは、イキイキ環境とドンヨリ環境の2種類をマウスたちに用意して、環境の差が遺伝子を活性化させるかどうかを確かめることにしました。
環境の違いが遺伝子を目覚めさせることができたのでしょうか?