学校銃乱射事件の犯人に共通する背景とは?

2012年12月14日、米国コネチカット州ニュータウンのサンディフック小学校で最悪の乱射事件が起きました。
午前9時30分ごろに20歳の犯人が校舎に侵入。6歳から7歳の児童20人と教職員6人の命を銃で奪いました。
わずか数分間の出来事でしたが全米を悲嘆と衝撃に包みました。
いったいどうして、このような事件が後を絶たないのでしょうか。
学校銃乱射事件に関する議論では、しばしばアメリカ特有の銃文化が原因として挙げられます。

しかし、銃文化が犯人の人生にどんな影響を与えているのか、体系的に分析した研究はほとんどありません。
そこでエアフルト大学のナサウアー氏は、従来の「所有率」や「犯人の精神状態」だけに注目するのではなく、銃が人々にとってどんな価値をもち、日常でどのように使われていたかを調査しました。
彼女は、代表的な24件の事件を詳しく調べて家族や友人との銃の関わりを分析しました。
その上で1966年から2024年までのアメリカの学校銃乱射事件83件すべてを比較し、共通する文化的パターンを浮き彫りにしました。
資料には、裁判所の文書、警察の報告書、メディア記録、銃撃犯自身の文書や動画を用いています。
さらに銃を手に入れる難しさを四段階に分類し、数値で評価することで全体の傾向を明らかにしました。