地球はどうやって生まれた?“巨大衝突”で歴史がリセット
まず、太陽系ができ始めた約45億年前を思い浮かべてみてください。
当時の宇宙空間には、ガスや塵が渦巻く「原始惑星系円盤」が存在していました。
この中で塵が集まり、やがて隕石となり、さらにはそれらが合体することで原始地球が生まれました。
今の地球とはまったく違う、“マグマの海”のような荒々しい星だったと考えられています。
ところが、誕生から1億年もしないうちに、「火星サイズの天体」が地球に衝突するという大事件が起こりました。
これは「ジャイアント・インパクト(巨大衝突)」と呼ばれています。
この衝突によって、地球の内部はドロドロに溶けて混ざり合い、表面も内部も、もとの“材料”がほぼ完全にリセットされてしまったとされてきました。
このとき、月も一緒に生まれたと考えられています。
これまで科学者たちは、「原始地球」の痕跡はこのとき完全に消えてしまった――つまり、今の地球の中には“最初の地球のかけら”は残っていない、というのが一般的な見方でした。