脳トレでワクチン効果が高まる可能性が示された――「心・脳・免疫」の繋がり
脳トレでワクチン効果が高まる可能性が示された――「心・脳・免疫」の繋がり / Credit:Canva
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脳トレでワクチン効果が高まる可能性が示された――「心・脳・免疫」の繋がり

2026.01.20 19:00:09 Tuesday

イスラエルのテルアビブ大学(TAU)で行われた研究によって、「気の持ちようでワクチンがよく効く」という一見あやしいフレーズが、かなり真面目に検証されました。

研究では、健康な大人たちが脳活動をリアルタイムで見せる脳トレを使って、脳の報酬回路(VTA)の活動を自分の力で高める練習を行い、その直後にB型肝炎ワクチンを接種しました。

その結果、脳の報酬領域(VTA)をうまく長時間高められた人ほど、ワクチン後の抗体の増え方が大きいという相関が見つかり、「良いことが起こりそうだ」と前向きに期待する気持ちが、脳を通じて免疫の反応を底上げしている可能性が示されました。

もしこの“期待の脳回路”をうまく使いこなせば、将来、薬やワクチンの効き方を後押しする新しい方法につながるのでしょうか?

研究内容の詳細は2026年1月19日に『Nature Medicine』にて発表されました。

Upregulation of reward mesolimbic activity and immune response to vaccination: a randomized controlled trial https://doi.org/10.1038/s41591-025-04140-5

『病は気から』を科学で分解するとどうなるか

『病は気から』を科学で分解するとどうなるか
『病は気から』を科学で分解するとどうなるか / Credit:Canva

「病は気から」ということわざがあります。

ただ風邪をひいたとき、「気合いがあれば治る」と言われると精神論をぶつけられたみたいでモヤモヤする人は多いでしょう。

しかし気持ちが体調に影響を与える現象がさまざまな研究で報告されています。

実際、プラセボ(偽薬)を使用すると病気の症状が一時的に緩和することが知られています。

偽薬でも『効くはず』と思うと症状が良くなる現象です。

痛み止めの実験では、何の成分も入っていない錠剤でも、患者さんが「本物だ」と信じると、本当に痛みが軽くなることが知られています。

このとき内の様子を調べると、ドーパミンやオピオイドといった「ごほうび」や「痛みを抑える」成分が動いていることがfMRIやPETで示されてきました。

動物実験ではもっとストレートな結果も出ています。

マウスのごほうびを期待するときに働く報酬領域(VTA)を人工的に刺激すると、細菌感染からの回復が早くなり、肺の腫瘍(がんのもと)の成長が遅くなることが報告されています。

では人間はどうでしょうか?

報酬を司る領域(VTA)の活動を高めることで人間でも免疫機能を高めることができるのでしょうか?

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