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シャコの目からヒントを得て「がんを見分けるカメラ」を開発 / Credit:Canva
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「シャコの目」にヒントを得たカメラ、手術中に隠れた癌を発見できる

2026.04.20 11:30:34 Monday

シャコといえば、ボクサー顔負けのパンチ力を持つことで有名ですが、実は「目」も非常に優れています。

人間よりもずっと幅広い波長の光を見分ける特殊な目を持っているのです。

そして米国のイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)などの研究チームは、このシャコの視覚を参考にして、手術で取り出したリンパ節をその場で調べ、がん転移の有無を素早く見分ける新型カメラを開発しました。

研究は2026年4月16日『Optica』に掲載されています。

Camera Inspired by Mantis Shrimp Eyes Can Spot Hidden Cancer During Surgery https://www.zmescience.com/science/news-science/camera-inspired-by-mantis-shrimp-eyes-can-spot-hidden-cancer-during-surgery/
Bioinspired ultraviolet-to-near-infrared imager for label-free intraoperative assessment of lymph node metastasis https://doi.org/10.1364/OPTICA.582293

「シャコの目」にヒントを得たカメラは、複数の光情報を同時に処理する

がんの手術では、腫瘍そのものを取り除くだけでなく、がんがリンパ節に広がっているかどうかを見極めることが重要です。

リンパ節はリンパ液が集まる場所で、がんが広がるときの手がかりになりやすい重要な組織だからです。

しかし、ここで医師は難しい判断を迫られます。

どのリンパ節を切除すべきか、という問題です。

現在の手術では、蛍素を使ってリンパの流れを可視化し、リンパ節の位置を特定します。

けれども、この方法で分かるのはあくまで「どこにあるか」です。

そのリンパ節に本当にがんが転移しているかどうかは、その場では確定できません。

最終的には、取り出した組織を病理で詳しく調べる必要があります。

そのため、見逃しを避けるために多めにリンパ節を切除することがあり、患者の負担が大きくなる場合があります。

逆に、転移のあるリンパ節をその場で見分けにくいため、後から追加の治療や処置が必要になることもあります。

そこで研究チームが注目したのが、シャコ視覚です。

シャコは人間とは異なり、紫外線から近赤外線まで非常に広い波長の光を同時に感知できます。

その秘密は、目の中にある特殊な視細胞の並びにあります。

異なる波長に反応する仕組みが重なるように配置されているため、複数の光の情報を同時に処理できるのです。

研究チームはこの仕組みを電子的に再現しました。

開発されたカメラは、1つのチップの中に複数の光センサーを縦に重ね、さらに画素ごとに異なる波長を通すフィルターを配置しています。

これにより、紫外線、可視光、近赤外線という異なる光を同時に、しかも同じ視野の中でずれなく取得できるようになりました。

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複数の光情報を同時に読み取るカメラ / Credit:Yifei Jin(UIUC)et al.,Optica(2026), CC BY 4.0

このカメラが見る役割は、大きく2つに分かれます。

まず近赤外線では、蛍光色素の蛍光を捉えてリンパ節の場所を探します。

次に紫外線では、リンパ節の表面から出る蛍光を観察し、転移のあるリンパ節とないリンパ節の違いを読み取ろうとします。

つまり、「場所」と「状態」を別々の光で同時に把握しようとしているのです。

では、このカメラは実際にどこまで役立つのでしょうか。

次ページ標本から非常に高い確率でがんを発見

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