そもそも何が「おかしい」のか

ムペンバ効果の物語は、1963年のタンザニアにさかのぼります。
当時13歳だった中学生エラスト・ムペンバは、学校でアイスクリームを作る授業を受けていました。
本来ならアイスクリームの材料を冷ましてから冷凍庫に入れるのがルール。
ところが冷凍庫のスペースが限られていたため、彼は熱々のまま入れてしまいました。
しばらくして冷凍庫を覗いたムペンバは、自分の目を疑います。
ちゃんと冷ましてから入れた他の生徒のアイスクリームより、自分の熱々だったアイスクリームのほうが、先に凍っていたのです。
少年は先生に報告しました。
けれど返ってきたのは「勘違いだろう」「そんなはずはない」という冷たい反応でした。
ところが彼は諦めませんでした。
数年後、ムペンバは講演に来ていた物理学者デニス・オズボーンにこの話をぶつけ、最終的には真面目に取り合ってもらえるようになります。
そして1969年、二人はこの現象が実在することを実験で確かめた論文を発表しました。
そしてこの不思議な現象は少年の名前を冠して「ムペンバ効果」と呼ばれるようになりました。
この現象の何がそれほど不思議なのか?
日常感覚では、ゴールに近い方が先に着くのが当然です。
90度のお湯を20度まで冷やすには「70度ぶん」冷えなければなりません。
30度のぬるま湯なら「10度ぶん」で済みます。
だからぬるま湯が先に冷えるに決まっている。
ところがムペンバ効果は、この直感を裏切ります。
出発点が遠い方が、なぜかゴールに先に着いてしまうのです。
しかも驚くことに、この「遠いほうが早く着く」現象は、水だけの話ではありませんでした。
過去に行われた研究でも、高温に熱したビーズや微粒子のほうが、低温で熱したビーズや微粒子よりも早く冷却水の中で冷めるケースが確認できたのです。
どうやら水だけの偶然ではない。
何か、もっと深いところに共通の原理がありそうだ。
そう物理学者たちは感じていました。
さらに近年、物理学者たちを驚かせたのは、量子の世界にも「ムペンバ的な現象」が存在するという発見でした。
たとえばある量子的な状態がベースとなる状態より「大きく崩れていた状態」の方が、「崩れの小さい状態」より早く元に戻ることが確認されたのです。
これは偶然でしょうか。
それとも、二つの現象の奥には共通の何かが潜んでいるのでしょうか。


























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