量子実験により光が37次元に存在することが明らかに
量子実験により光が37次元に存在することが明らかに / Credit:Canva
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光は37もの次元にまたがって存在している可能性

2025.02.06 00:00:00 Thursday

私たちは日常的に縦・横・高さという三次元空間しか意識していません。

しかし、デンマーク工科大学によって行われた量子実験によると「光の状態が、古典物理の想像をはるかに超える37もの次元にまたがって存在している」という可能性があるという。

この結果は、光子たちが古典的には見えない多くの自由度(状態空間)を持っていることを示唆しており、私たちの知る“三次元空間”という常識を超えた「量子世界ならではの余分な次元」の存在を浮き彫りにしています。

まるで一枚の紙に見える地図が、開いてみたら複雑に折り畳まれた広大な世界だった――そんなイメージに近いかもしれません。

いったいどのようにして光は「37次元」の姿を現し、そこに量子力学特有の不思議な性質が隠れているのでしょうか。

研究内容の詳細は2025年1月29日に『Science Advances』にて公開されました。

Exploring the boundary of quantum correlations with a time-domain optical processor https://doi.org/10.1126/sciadv.abd8080

GHZパラドックス

量子実験により光が37次元に存在することが明らかに
量子実験により光が37次元に存在することが明らかに / Credit:Canva

研究のキーワードとなるのが「GHZ(Greenberger-Horne-Zeilinger)パラドックス」です。

なにやら難しそうな横文字ですが、内容は極めてシンプルです。

GHZパラドックスは、「離れた粒子同士が量子力学的につながっている」ときに起こる、不思議な矛盾を示す議論です。

簡単に言えば「古典的な考え方では絶対に起こりえないこと」が、量子力学の計算だと「100%起こる」と予言されてしまう、という矛盾(パラドックス)です。

たとえば古典的な理屈で考えると、ある方程式を立てたときに「1 = -1」というありえない結論に至ってしまうことがあります。

でも量子力学なら、そもそもの前提が古典とは違うため、この矛盾を乗り越えてしまうことがあります。

このような普通はあり得ないのに量子力学ならOKとなるケースをGHZパラドックスと呼ぶわけです。

言い換えれば、私たちが認識できる古典的な世界と、量子力学の不思議な世界の違いを現わすための言葉と言えるでしょう。

ですが、このGHZパラドックスの「非古典性」をどこまで際立たせられるのでしょうか?

さらに、パラドックスをより強力に示すには、どのような条件が必要なのでしょうか?

この素朴な疑問を解明するためデンマーク工科大学の研究者たちは従来より「もっと強烈な量子パラドックス」を起こすことにしました。

(※従来より文脈数(測定基底数)を最小化しつつ最大限に量子の不思議さを顕在化させる試みに挑んだという意味です)

その手段として研究者たちは「実験で使う子たちを、できるだけ非古典的(量子らしく)振る舞う状態」にすることを目指しました。

こうすることで量子効果と古典理論の食い違いを際立たせることが可能です。

次に、この状態に至った光子の性質を調べることにしました。

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