恋人に「スマホで無視された」と感じる瞬間を10日間追跡
この研究で注目されたのは、「ファビング(phubbing)」と呼ばれる行動です。
ファビングとは、「phone(電話)」と「snubbing(冷たくあしらう)」を組み合わせた言葉で、目の前にいる相手よりスマホに注意を向けてしまう行動を指します。
例えば、会話中に通知を確認したり、食事中にSNSを見たり、相手が話しているのにスマホ画面へ視線を落としたりするような場面です。
もちろん、スマホを見る側に悪気があるとは限りません。
しかし見られる側にとっては、「自分よりスマホのほうが大事なのかも」と感じるきっかけになります。
研究チームが特に知りたかったのは、なぜ同じようにファビングされたと感じても、強く傷つく人とそうでない人がいるのかという点でした。
そこで注目されたのが、成人の愛着スタイルです。
今回の研究では、愛着スタイルの中でも、「不安型」に近い傾向と「回避型」に近い傾向がどのように関係するかが調べられました。
不安型は、恋人から見捨てられることや、十分に愛されていないことを心配しやすい傾向です。
一方、回避型は、親密になりすぎることや感情的に依存することを避けやすい傾向です。
研究では、恋人と同居しており、少なくとも6カ月以上の恋愛関係にある成人196人を対象に、日記法調査が行われました。
参加者は10日間にわたり、毎日オンライン調査に回答しました。
そこで尋ねられたのは、その日にパートナーからどれくらいファビングされたと感じたか、関係満足度はどうだったか、自尊心、抑うつ気分、不安気分、怒り、そして自分もスマホを使って「報復」したかどうかなどです。
ここでいう「報復」は、相手を攻撃するという意味ではなく、相手がスマホを見たことに対して、自分もスマホを手に取って使うような反応を指します。
つまり、「そっちがスマホを見るなら、こっちも見る」という現代的なすれ違いです。
そして調査の結果、全体的には、恋人からファビングされたと強く感じた日は、関係満足度が低く、不安気分や怒りが高いことと関連していました。
ただし、より重要なのは、愛着スタイルによって反応に違いが出たことです。
特に不安型傾向が強い人では、恋人にファビングされたと感じた日に、抑うつ気分が高く、自尊心が低い傾向が見られました。
では、この「傷つきやすさ」は、具体的にどのような心の動きとして現れていたのでしょうか。
より詳細な結果は次項で見ていきましょう。




















































