2万4000年間の地球の気温変化を一目で見る
気候学の研究では、現在地球が最終氷期を終えてから温暖化に向かっているのか、寒冷化に向かっているのかが議論されてきました。
しかし、今回作成されたマップは、温暖化傾向に向かっていることがはっきりと示されています。
この結果は、今年はじめに同じく『nature』で報告された気候モデリングに関する論文とも一致しています。
研究者によると、氷河後退後、炭素レベルは一貫して上昇していたにも関わらず、堆積物コアの調査から寒冷化の傾向が見つかったのは、北半球からの堆積物コアが、サンプルに多すぎたことが原因だったとしています。
また研究は、惑星の間氷期の気温が、以前に考えられていたよりもはるかに寒かったことも示されていると述べています。
この結果から見ると、地球の気温については、約1万8000年前から1万2000年の間に、2回ほど急激な上昇を見せています。
こうした、2~3℃程度の温暖化は、間氷期の変化として見ることができます。
しかし、現代の気温については、産業革命以降から現代までの短い期間で大きく上昇しています。
これは1万2000年前から200年前までに起きた温暖化に匹敵する上昇量です。
パリ気候協定では、この急激な温暖化傾向を産業革命以前の気温から2.7℃以内に抑えようとしていますが、実際のところ、そのため約束は、ほとんどの国で実行されていません。
このデータからは、地球の自然な気候変動による温暖化傾向と、人類の関与が疑われる温暖化は明らかにレベルが違うと研究者は語っています。
しかしデータから受ける印象は、見る人よって大きく異なるかもしれません。
あなたはこのデータから何を感じ取るでしょうか?