3Dプリントによって素早く義眼を作成できる
義眼の作成にはいくつかのステップがあり、通常、完成までに約6週間かかります。
義眼のデザインだけでなく、義眼を装着する適切な空間を作らなければいけません。
そのためには眼球が入っていた空間「眼窩(がんか)」の型取りをしたり、眼窩周辺を手術したりする必要がありました。
医師が手作業で行う部分が多く、どうしても時間がかかってしまいます。
義眼作成の希望者も多いため、ムーアフィールズ眼科病院では通常4~5カ月待ちの状態であり、最近では新型コロナウイルスによるロックダウンの影響でさらに待機時間が長くなっています。
そんな中、3Dプリント技術を利用した義眼作成の技術が開発されました。
最初にコンピュータが患者の眼球と眼窩をスキャンして、そのまま3Dモデルを作成。
このデータはドイツの3Dプリンタに転送され、わずか2時間半でプリントされます。
その後、プリントされた義眼はイギリスに送られ、医師によって仕上げ、研磨、装着が行われます。
この新しい方法により、全体のプロセスは、従来の半分である2~3週間で完了するようです。
そして今回、3Dプリント義眼が世界で初めて患者に提供されました。