ボクサーやアメフト選手は大脳白質病変が進行しやすく、アルツハイマー病のリスクも高い
調査の対象となったのは、脳提供に同意していた平均67歳の故人75名です。
対象者の89%はアメフト選手であり、残りもボクシングやサッカーなどのコンタクトスポーツ選手、また退役軍人でした。
彼らの脳は、生前に繰り返し衝撃を受けてきた、ある意味「特別な脳」です。
そして解剖の結果、対象者の75%(53人)は、慢性外傷性脳症(俗に言うパンチドランカー)になっていました。
さらにチームは、彼らの大脳白質病変や他の病気との関連性を調査。
その結果、コンタクトスポーツ歴が長い人ほど、大脳白質病変が進行しており、日常生活が難しくなっていた(介護者談)と判明しました。
また大脳白質病変が進行するごとに、重度の小血管病(small vessel disease)になる確率が2倍高くなると分かりました。
さらにアルツハイマー病のバイオマーカーとなる物質が前頭葉に蓄積する可能性も3倍増えるようです。
以前からボクシングやアメフトが脳に与える影響は問題視されてきました。
今回の研究でも、それらのスポーツによって大脳白質病変が進行し、アルツハイマー病のリスクも高くなると判明したのです。
もしコンタクトスポーツの関係者なら、脳障害のリスクをいつも考慮しているべきでしょう。