より正確な津波予測は可能か?
地震発生時は、素早く津波予報が報道されますが、あれは「どうやって予報出しているのだろう?」と疑問に思ったことはないでしょうか?
日本の気象庁によると、現在の津波予測には津波予報データベースが利用されています。
あらかじめシミュレーションした結果をデータベースに保存・蓄積しておき、地震が発生したのちに、地震の位置や規模をもとにデータベースから予測結果を検索するのです。
その際、津波の高さも計算され、私たちに津波警報として伝えられます。
つまり実際に発生した津波を、検出・測定しているというわけではないのです。
もちろん、実際に発生した津波波高を直接観測するなら、より正確な警報を伝えられるでしょう。
しかしそれでは避難する時間がありません。
では津波波高を直接観測する以外の方法で、従来のシミュレーション予測よりも正確に津波の高さを知ることはできないのでしょうか?
これまでの研究によって、その可能性が見出されてきました。
2004年に発生したインド洋大津波をきっかけに「津波は自然電磁場を伴うのではないか」という理論的予測が提出されたのです。
そして2011年、藤氏ら研究チームは、世界で初めて「津波が観測可能な磁場を伴う」ことを海底観測により実証しました。
津波によって発生する磁場を観測するなら、津波の高さなどの情報を取得できるかもしれません。
しかし当時は磁場と津波波高の同時データが得られず、実際に磁場を津波予測に役立てられるか不明だったようです。
今回の新しい研究では、観測された磁場と津波波高を直接比較することに成功しました。